気仙沼の報告その1

   はじめに


 昨年の東日本大震災から1年半余りが過ぎました。

夫の家族が石巻市に住んでいたので津波の被害を受けたこともあり、被災地のことはずっと頭を離れませんでした。

昨年(平成23年)、大学の学園祭に学研企画として「震災後の日本を支える君たちへ」というテーマで、村上和雄氏(筑波大学名誉教授)と竹田恒泰氏(慶応大学講師)をお招きし、講演会を開催しました。

また、その際、村上和雄氏、吉田武男氏(筑波大学教授)との共著『21世紀は日本人の出番―震災後の日本を支える君たちへ―』(学文社)も出版しました。

拙稿には、震災からの復興の精神的エネルギーが高まればいいという願いと、若い世代の学生たちにこの震災から多くのことを学んでいってほしいという気持ちを込めました。

震災から1年半あまり経った今、世間の関心が徐々に薄れかけているのではないかと気にかかっていました。

かねてから被災地への支援について自分でもできることはないものかと思っていましたが、何ができるのかわかりませんでした。

そんなとき(平成24年9月)に、岩手県県職員S.Tさんと知り合ったのです。
そこで、ともかく現地に行って自分でもできることを探してみたいと思い、S.Tさんのご協力の元、平成24年10月に気仙沼市・陸前高田市を訪問させて頂きました。

そこで見たこと・感じたこと・考えたことをご報告したいと思います。