「復興プロジェクト通信」2012年5月号より

   梶原忠利宮司さんの寄稿

この震災を乗り越えようとする
漁師たちと支援者との絆に
唐桑の底力と未来を感じて
  気仙沼市唐桑地区復興支援共同体 副代表 
早馬神社 宮司 梶原忠利

 震災から一年が経過した三月十八日。

 ここ唐桑では宮城県漁業協同組合唐桑支所養殖部会主催による「養殖復興感謝祭」が開催されました。
これは、牡蠣・帆立・わかめを中心とした養殖漁業者が、その再出荷にあたって、この間多大なるご支援をいただいた多くの支援者の方々へ感謝の気持ちを込めて開催したものでありました。

 今、何度思い返してみても、あの壊滅的な被害からたった一年の間に再出荷まで至るとは全く想像できなかったことであり、感謝祭の光景は、万感胸にせまり、涙なくして見ることはできませんでした。

 これもひとえに唐桑の漁師達の心意気と全国から寄せられた、本当に多くのご支援による結果だと思います。

また二月に販売された生わかめ「春馬」にも、多くの支援の気持ちが込もった注文が寄せられ、来年以降にも続く、新商品となった事も嬉しい出来事でした。

 この震災は、とても悲しく辛い出来事ではありますが、その反面で全国から多くの支援が届けられ、「絆」という言葉のもと、人と人との心の結びつきが生まれ、復興が成されていることに、心から感銘をうけています。まだまだ、復興過程ではありますが唐桑は今、未来に向かって着実に歩みを進めています。

(「宮城県漁業協同組合唐桑支所 三陸特選市場 復興プロジェクト通信」 2012年5月より)