気仙沼の報告 その25

  平成26年5月11日

平成26年5月11日 8時39分 気仙沼駅着。
4か月ぶりの気仙沼です。今年から奇数月だけにしたのですが、3月を休んだのでとても久し振り。大船渡線沿線の景色は、新緑が輝いています。
気仙沼駅前で岩手県県職員S.Tさんに再会。お互いに近況報告をしながら、階上(はしかみ)公民館へ。


●気仙沼市 階上公民館
 階上公民館で働いている元船乗りのK.Kさんに会いに行きます。K.Kさんにお会いするのは昨年11月以来です。公民館に9時過ぎに着いたら、もう畑仕事に精を出していらっしゃいました。この冬、雪かきで腰を痛められたそうで、ちょっと元気なさそう。お疲れもたまっているのでしょうか。
 公民館の職員室で2時間ほどおしゃべりしました。若い頃にはずいぶん人助けをされたそうです。海に釣りに出た中学生3人が沖で船を転覆させ溺れているのを救った話もお聞きしました。
人に陥れられたことも多々あったそうです。
全てをさらっと他人事のように話すK.Kさん。驕らず高ぶらず、小さいことにくよくよせず、生きることに淡々と向き合っていらっしゃる感じです。
そして何より感心するのは、ともかく気前がいいこと。そして全く見返りを求めません。公民館でのお仕事も、働いている時間から考えれば完全にボランティアです。公民館の庭の畑仕事もそうです。バレンタイン・デーにはとてもたくさんチョコレートをもらったそうです。そのお返しだけで10万円を超えたとか。律儀に一人一人にお返しをされたのでしょう。K.Kさんらしいです。 
昼はK.Kさんが冷凍さんまを出汁にしたお雑煮を作ってご馳走してくださいました。レンジを使ってあっと言う間に作れるおいしいお雑煮です。生臭いかと思いましたが、全然生臭くありません。
午後はK大学の方たちがいらっしゃるそうです。毎日K.Kさんを慕って、多くの方たちが訪れます。
K.Kさんは、まさに「金儲け」より「人儲け」の上手な方です。
私もK.Kさんの大ファンの一人ですよ。7月にまた来ますね!


●気仙沼市 早馬神社
 今日11日は、東日本大震災の月命日です。早馬神社では世界的チェリストの溝口肇氏によるチェロ演奏を企画されていました。私もたまたまこの日に気仙沼に行く予定だったのですが、宮司様のご提案でチェロ演奏の後お話をさせて頂くことになりました。集まったのは、神社近くの仮設住宅にお住まいの方たちなどです。約1時間、「慰霊」についてお話をし、最後にS.Tさんの先達で「ひふみ祝詞」「天津祝詞」を奏上しました。S.Tさんの言霊は美しく、力強く、のびやかで、祓い清めの力が実感できます。


被災された方たちの前でお話するのは大変緊張しました。
 復興とは、被災された方たちの全ての魂が、亡くなった方も、生きている方も、全ての魂が、癒され、元氣になることだと思っています。そのためには霊的次元での「死」の意味を、魂が、魂の底から納得することが大切だと思うのです。そのことを被災された方たちに、お伝えしたかったのです。
 聞いてくださった方たちは真剣に耳を傾けてくださいました。その表情に勇気づけられて、訥弁ではありますが、1時間のお話を終えることができました。
 こんな貴重な機会を与えてくださった梶原忠利宮司さんと息子の梶原壮市禰宜さんに感謝致します。また、私の緊張をほぐそうと気遣ってくださったS.Tさん、ありがとうございました。


●気仙沼市 
 早馬神社を辞して、近くの海岸で慰霊をさせて頂きました。慰霊のお話をした直後なので、慰霊の意味を自分自身かみしめながら、慰霊をさせて頂きました。


 今日の1日はとても長く感じました。でもとてもいい1日でした。
S.Tさんありがとうございました。