気仙沼の報告 その16

  平成25年7月14日

●平成25年7月14日 8時39分 気仙沼着。
今回は、T大学から2名、学生のN.Aさん、Y.Sさんが参加します。
N.Aさんは震災後の6月にも気仙沼にボランティアに来たことがあるそうです。
2日間、いつもどおり、岩手県県職員S.Tさんに案内してもらいます。

◎気仙沼市 畠山正則氏の養殖場でのボランティア
 9時半から 漁協の畠山正則氏の養殖場で、養殖網からテグスを外すお手伝いをしました。
畠山氏は気仙沼市唐桑地区復興支援共同体の代表も務められていて、NHKの「小さな旅」(平成25年2月24日放映)でも、紹介された方です。
私たちが行ったときには、ちょうど漁船で養殖の牡蠣をいかだに取り付けに出港した直後でしたが、奥様の喜栄子さんが迎えてくださいました。
明るい笑い声の絶えない方で、とても楽しい気持ちになってきます。

最近はボランティアの数も減ってきたそうです。
確かに、連休の2日目の日曜日なのに、私たち以外にボランティアはいませんでした。

 1時間もしないうちに、休憩のおやつを出してくださいました。メロンの形の器に入ったアイスを見て、20歳前後の学生2人が「懐かしー!」。
海は穏やかで、海水もきれいです。小魚もたくさん泳いでいます。
カラッと晴れ上がった真っ青な空。東京よりはるかに涼しい(半袖の私には寒いくらいでした)のに、畠山さんは「今日は暑い!」とのことです。
 12時ごろまで作業をしました。
テグスを外した縄が積み上げられますが、思ったほどの量ではありません。外していない網は、この10倍以上もあります。

 漁師さんの仕事は1年中忙しいそうです。
手作業でなければできない仕事が絶え間なくあるわけですから、本当に大変です。

 お昼をご馳走してくださると仰ってくださいましたが、申し訳ないので辞退しました。
その代り、目の前で剥いて海水で洗った最高に新鮮な帆立や海鞘(ほや)をご馳走になりました。
牡蠣は卵を持っていて食べられないそうです。
手のひらよりも大きい牡蠣殻いっぱいに身がついていて、とてもおいしそうなのに、ちょっと残念な気がします。
 帆立のワタその他は手で小さくちぎって、ウミネコに投げてやります。ウミネコたちは続々集まってきて、放り投げたワタに飛びつきます。海辺ならではの楽しいひと時でした。

◎気仙沼市 津波体験館
 昼食後、津波体験館へ。
上映される津波のビデオも新しくなっています。
床が震度3くらいの直下型の揺れを再現し、画面いっぱいに映し出される津波と人工的に吹いてくる冷たい風によって、津波の怖さを実感させられます。
 津波の恐ろしさを後世までも語り継がなければという強い思いが込められています。

◎気仙沼市 早馬神社
 今晩泊まるホテルで一休みし着替えをした後、16時半ごろに早馬神社さんに参拝します。
学生たちは正式参拝そのものが初めてということで、梶原忠利宮司さんから玉串奉奠のご指導をして頂きました。

 参拝の後、梶原忠利宮司さん、梶原壮市禰宜さんから震災当日およびその後の復興の足取りに関するお話がありました。
お二人のお話を学生たちも真剣に聞き入っています。私も毎回お聞きするたびに、感銘を受けます。

 夜は気仙沼市内の復興屋台村へ。宮司さん・禰宜さんもお付き合いくださって感激です。
宮司さんはお酒がお好きなようでした。実は私もお酒が大好きなので親しみが増してきます。
 結局2軒のお店に入って、楽しくおしゃべりし、お食事とお酒を頂きました。

 お二人は毎朝5時に起きられ、6時に神社で日供(朝の祈祷)をされ、その後境内を掃き清められるそうです。
温和でにこにこされているお優しいお顔の裏には、ご神業に対する厳しさがおありなんですね。
いえ、そうした厳しさがあるからこそ、他人には優しく接せられるのでしょう。
 神社では見られないお二人の魅力を再発見致しました。

夜遅くまでお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。