気仙沼の報告⑨ (平成25年2月10日)
●平成25年2月10日 8時39分 気仙沼着。
雲一つない晴天です。
今日は気仙沼で初めて、被災された方たちとの交流会を開く日です。ドキドキします。
交流の内容は、「水墨画教室」です。
講師はK.Sさんがしてくださいます。
チラシを社会福祉協議会の方が作成し、今月1日に階上(はしかみ)地区に配って下さいました。
社協の方のお話では、かなり関心が高く、30名を超えるかもしれないとのご連絡を受けていました。
もしかしたら、前半・後半の2部構成になるかも…。大勢集まって下さるのは嬉しいのですが、その分、水墨画を描く時間が短くなってしまいます。痛し痒しです。
気仙沼駅から、岩手県職員S.Tさんの車で階上公民館へ直行します。
9時ちょっと過ぎに会場に着き、道具類を下ろし、机や椅子をセッティング。
受付は社協の方たち4名が手伝って下さいます。各机に墨を入れるお皿や筆洗い、練習用半紙、本番用色紙、お手本を置いていきます。
9時半に最初のお客さんが来られました。10時までにぞくぞく階上地区の方たちが集まってきます。
予定していた30名分の机・椅子では足りなくて、慌てて倉庫から机や椅子を運び込みます。結局35名の参加者でした。
10時10分に社協の方のご挨拶で教室を開始。
画題は「姫だるま」です。
何十年ぶりに筆を持つといった声も聞こえてきます。
K.Sさんのご指導のもと、半紙に縦の線、横の線、S字型の線を描いていきます。皆さん真剣です。無心に半紙に線を描いています。K.Sさんの言うように「すうっと」線が引けなくて、短くなったり長くなったり曲がったり…。
何度も何度も線を引き続けています。
約1時間後、K.Sさんが、「それではそろそろ色紙に描きましょう」と言ったときには、「え~~」という声が上がりました。一機に空気が高揚していきます。
こわごわ色紙に筆を下ろし、「あ~」といった溜息のような声があちこちから聞こえてきます。
お手本を見ながら輪郭を描き、着物の柄のお花を描き、そして最後にお顔です。
目と口が入ると、どの姫だるまさんも、とてもかわいらしくなりました。
それぞれに味のある姫だるまさんです。周りの人と見せ合って、褒め合ったり、謙遜し合ったり…。とても楽しそう。
初めて水墨画を習う方たちにとって、記念すべき作品となったのではないでしょうか。
最後に「北国の春」に合わせて「行け行け お茶っ子体操」を皆で踊ってお開きです。体操は、社協の方がお手本を見せて下さいました。
後片付けを終えて昼食後、慰霊に向かいます。先月と同様、南三陸町の慈恵園・防災対策庁舎と、石巻市の大川小学校です。気持ちを込めて、慰霊をさせて頂きました。
一ノ関に向かう道では、ずっと太陽が正面に見えていました。北上川に反射する太陽の光があまりに眩しくて、まるで太陽が2つあるみたい。今朝、一ノ関駅のホテルでも窓から真っ赤な朝日が見えていました。一日中、お日さまに見守られているようです。
今日1日、本当にありがとうございました。