気仙沼の報告 その39

  令和元年9月28日~29日

気仙沼の報告(令和元年9月28~29日)
◎令和元年9月28日(土)
 1年ぶりの被災地訪問です。
 南三陸のニュー泊崎荘(ペットも一緒に泊まれます)から、岩手県職員S.Tさんの車で、気仙
沼市岩月へ。昨年まで階上(はしかみ)公民館で働いていらしたK.Kさんのお宅に遊びに伺いま
す。
K.Kさんは昨年、大腸がんの手術をされました。実は昨年の今頃もお宅にお邪魔させていただ
いたのですが、手術直後だったせいか、少し元気がなく見えました。
ところが、今回はすっかりお元気そう!今は公民館も辞められ、毎日畑仕事などをされている
そうです。今回も船員時代のお話をたくさん聞かせてくださいました。あっという間の2時間。
もっともっとお話を聞きたいなと思いながら、おいとましました。
その後、岩井崎の東日本大震災遺構・伝承館へ。こちらは「旧気仙沼向洋高校校舎」を震災遺
構としたものです。今年3月9日から一般公開されています。この高校は海岸から200メートルく
らいの場所に建っていますが、地震直後、高台に走って生徒全員無事でした。
館内では津波の映像も見ることが出来ます。津波の生々しい映像を見ていると、改めて津波の
威力の凄まじさを感じると共に、東日本大震災から8年も経って、その恐ろしさを忘れかけてい
る自分に気づかされます。
高校の校舎の中には、津波で流されてきた自動車などもそのまま残されています。
見学している誰もが無言です。言葉が出ないのです。
津波がもたらした傷跡の迫力に押し潰されまいとしながら、息さえ止まりそうです。
校舎の屋上で、目の前に広がる明るい海を見たとき、初めて呼吸が軽くなりました。
薄暗い空から小雪の舞っていたあの日、この校舎の4階まで押し寄せてきたどす黒い津波。
そして今、目の前に広がる青い空と海。
二つが結びつきません。
辛い過去の記憶よりも、今の平和を信じていたいと思う自分がいます。
遠のく記憶と教訓を後世に伝えるために、懸命の努力を捧げてくださっている方たちがいらっし
ゃいます。その方たちの思いを、もっともっと真剣に受け止めたいと思います。
近くの岩井崎でワンコ2匹を散歩させました。松林と海が明媚です。
昼食後、大島大橋へ。こちらも今年の4月7日に開通したそうです。震災時にはフェリーの運航
もできず、3200人の島民達は、3週間も孤立状態になりました。物資や食料など、どれだけ大変
であったか、想像にあまりあります。
開通した大橋は遠目にも美しい弧を描いています。長さ356メートルの大橋を走り抜けるとき
、見下ろす海や島々。自然の豊かさが詰まっているようです。
 
 最後は早馬神社様へ。宮司様はお留守でしたが、禰宜の梶原壮市様はいらっしゃいました。
 今年は神社ご創建800年記念の年だそうです。赤い鳥居の新築や屋根の葺き替えをなさったそ
うです。記念すべき節目の年にお参りできる幸運に感謝致します。
 夜はニュー泊崎荘近くの食堂へ。海鮮の天ぷらを頂きました。ご馳走様でした。
 
◎令和元年9月29日(日)
 天気予報は外れて、朝から快晴です。今日は石巻を目指します。
 秋の行楽日和もあり、各地でいろいろなお祭りを催しているようです。
南三陸ではたこ祭り。気仙沼や女川では秋刀魚祭り。いずこも賑やかです。
途中、海沿い2箇所で慰霊をさせて頂きました。
また、北上川沿いにある釣石神社に参拝しました。合格祈願の受験生が多く参拝するそうです。
大川小学校にも立ち寄りました。いつ来ても、見学者や語り部がいます。
こちらも震災遺構として保存されるそうです。
亡くなられた生徒さん、教職員の方々。そして、ご家族の皆様。
時は止まったままなのでしょうか。
 
午後、石巻の宮殿寺でお墓参り。
北上川の土手でワンコを散歩させます。きれいに整備されていて、気持ちのいい海風が吹きます

昼食後、日和(ひより)神社へ。鳥居越しの海は絶景です。桜の季節がまた素晴らしいそうです

 
最後は門脇小学校へ。こちらも津波に襲われましたが、幸い1人も犠牲者は出ませんでした。
建物は震災遺構となるそうです。
門脇小学校の近くの海で慰霊です。
石巻の海は、リアス式ではなく広々しています。
いかにも太平洋!という感じがします。
秋の海はのどかです。
こうして生きていられることへの感謝が胸の奥に湧き上がってきます。
2日間、復興を実感できることも多くある一方で、8年前とあまり変わらないところも多くありま
した。
防潮堤は確実に広がっています。嵩上げも。復興公営住宅も。道路も。
でも、雑草が生い茂る平地が広がるだけのところもまだまだ多くあります。
復興の光の影で、震災当時の記憶が薄れていきつつあります。
S.Tさんには本当にいろいろなところに連れて行っていただきました。
中身の濃い旅程を、快適に過ごさせて頂きました。
練りに練った計画だったことを思うと、改めて感謝です。
本当に 本当に ありがとうございました。